負の世界遺産

オシフィエンチウム(アウシュビッツ)とそこから3kmの所にあるビルケナウ(第2アウシュビッツ)。クラクフからのバスはアウシュビッツに。この場所は思っていたより狭い場所で、建物が今はそのまま博物館になっている。建物ごとに写真や遺留品や部屋の様子の展示があった。収容されていた人々の顔写真が、最近撮影られた写真のようで、とても生々しく胸に迫ってきた。悲しそうな顔、にらみつけた顔、無表情な顔。ここだけでかなり疲れたので、第2アウシュビッツはやめようかと思ったが、せっかく来たのでがんばって行ってみたら(バスで10分位の所)このビルケナウ、めちゃくちゃ広くて驚いた。ぜひ、両方行ってください。収容されていた人々の建物(バラック)が無数にある。バラックの中は木で作られた簡単な3段の棚(ベット)の上にワラを敷いて人々がその上に寝かされていた。これは養鶏場と同じやなと思った。人が人を家畜の様に扱っていた場所。電流の流れていた鉄条網の向こうに見える50mおきに建っている監視塔。鷹の目だ。とても威圧的に見える。ここに捕らえられた人々はどんな気持ちでこの監視塔を見ていたんやろう。こうやって普通に飯が食えて、風呂に入れて、布団で寝れる事のありがたさを感じた。非常に美しい空と緑の森を背景に規則的に延々と続く鉄条網が印象に残った。

ああ、なんで馬鹿な事を。。。と言うのは簡単やが、その当時それが人の手によって膨大な労力をかけて行われていた。大真面目に。多数の人間の同意が無ければあそこまで大掛かりな事はできなかったのではと思う。価値観とは非常に簡単に移り変わってしまうものなのかもしれない。